塾長(教室長)を辞めました

 書こう書こうと思いつつなかなか最後まで書ききれなかった退職エントリの下書きを成仏させるべく筆を執ってます。はてブはやたらIT系の大企業の退職エントリが目に付くけど、ITとは程遠いアナログな小さな小さな学習塾でのお話です。

 

 退職エントリ、読むのは面白いんだけどいざ書くとなると「結局辞めたから何?」って自問自答しちゃってたのと、もし生徒や保護者の目に付いたら嫌だなーという気持ちからなかなか最後まで書ききれなかったんだよね。でも退職したのは半年以上前の2019年3月なので、もういい加減時効だろ(?)ってことで。

 

 

 

 

 

入社までの経緯

 大学時代にしていたバイトのご縁から、「塾講師をやってみない?」とお誘いを受けたのが切欠です。就職氷河期ってのは言い訳に過ぎないんですけど、大学は教員免許を取って無事に卒業した事以外は特にこれといって何もせず、就職せずにスロプーしていた俺は二つ返事で入社しました。

 

 入社後に受けた説明としては以下の通り。

 

フランチャイズの学習塾を運営して欲しい

・その教室はICT教育で、授業は全てネットを介して行う

・人件費1人分(俺だけ)で運営できるシステムだから指導というより運営が中心

・法人契約なのでロイヤリティやら仕入れやら本人負担は一切ない

・正社員としての賃金は支払われる

・収益に応じたボーナスの査定はあるが、ノルマによる減給はない

 

 うーん、嫌な予感がすると思いつつも、雇われとは言え20代で一国一城の主になれるってのは非常に魅力的でしたし、薄給だったもののそれ以上に得られるものもあるだろうと考え、引き受けることにしました。

 

 

研修~開校

 聞いていた話通り、授業は全てPCで行われるため、研修で学んだことは保護者対応や電話応対、集客についてなどで、国数社理英といった教科科目については一切研修がありませんでした。

 

 これでも偏差値70の高校、大学を卒業し、中高の教員免許(英社)を取ってましたし、塾講師のバイト経験もあるのでいざ教えようと思えば最低限教えれる自信はありましたが、「絶対に教えるな」「勉強を教える塾ではない。勉強の仕方を教える塾だ」との本部から強く念を押されていたため、研修内容も運営に限定されていました。

 

 いや、ICT教育っつーけどそういうもんじゃなくね?と思いつつも、所詮雇われ塾長に過ぎない俺に反論する権利はなく、言われた通りに研修を終わらせ、いざ開校となりました。ちなみに研修期間は90分×週1×6回のスカイプ通話+2日間の本部研修でしたし、塾を開講するのに教員免許など特定の免許は必要ありませんので、誰でも加盟金さえ納めて20時間ほどの研修を終えれば塾長になれます

 

 

開校~1年目

 研修内容通り、俺の業務は生徒募集と教室運営に集約されていました。生徒指導は「パソコン先生の言う通りにやれ」ってだけで、どうしても分からない、躓いているところ以外は一切教えませんでした。そもそも、そのインターネット学習の内容なんて教科書の内容をそのまま記載しているようなもので、それで出来るようなやつは塾に来ねーだろって話だったんですが、そうしろと強く念を押されている以上何もできず。

 

 当然保護者からもクレームが入りますし、生徒を募集しても入塾した分だけ出ていくような状況が続いていました。それでも人件費が俺だけなのでなんとか店舗としては黒字を出していましたが、保護者からクレームを受け、虚実織り交ぜてあーだこーだ言い訳し、何も教えてくれない(教えられない)先生みたいな扱いを受けるのは正直ストレスでしたし、先行きに不安を感じていました。

 

 

 

開校2年目~4年目

 開校当初はインターネット学習の物珍しさと、個別指導(一人一台のPCを利用するため、各々のペースで学習が出来るという意味)の謳い文句が効いてそれなりに生徒も集まってきましたが、当然そんな塾が流行るわけもなく。だってPCで勉強つっても学校で授業聞いて問題集解いてるのと変わらないですからね。出来るやつは学校と同じことやってるだけのこんな塾に来るわけないし、出来ないやつは学校と同じことが出来ないわけだから出来るわけがない。

 

 最終的に、偏差値45くらいの、学校の授業についていけないことはないくらいの生徒が残りました。それでも結局その辺りの子も、成績が上がらないからといって他の塾に行ったりしてましたけど、逆に他の塾で上がらなかったからといって来る子もいましたし、生徒数は15~20人前後で落ち着くようになりました。

 

 一応それでも黒字は黒字だったんですが、何百万も売り上げのある教室にはなれず、これと言ってボーナスも出ず、昇給もせず、かと言って夏期講習やら冬期講習やらテスト対策講習やらで休みは少なく、残業は多い。安定して黒字が出てはいるものの、やっていることは詐欺師同然の内容で、成長性がない現場で働くことに疲れなかったといえば嘘になります。

 

 同じフランチャイズの別のオーナーの店舗を見学したり、あるいは飛び込みで個人塾を見学させてもらったりしながら、正しい教育の在り方について考えているうちに、これ以上続けていても俺の成長にも繋がらないし、生徒の将来の為にも良くないと思って、退職を決意しました。 

 

 

 

その後

 その後、後任の先生が見つからなかったり、今後の将来性もあまりないだろうという判断から教室は閉校しました。雇ってくれた会社に恩義はありますし、恐らく加盟金や初期投資は取り戻せていないと思うので、それについては申し訳なく思います。薄給でこき使われましたけど、その分得るものはありました。もうちょっと早く辞めたかったんですけど、やっぱり慕ってくれていた生徒は可愛いですし、しっかり進学まで見届けたかったので転職活動と並行しながら3年生は全員進学させて退職しました。2年生以下は途中で放り出して正直すまんかった。

 

 

 

結論:インターネット学習塾はマジでクソ

 文中でも書きましたが、他の学習塾とか飛び込みで訪問して見学させてもらったりしてたんですよ。教育現場に身を置いて、教育の正しい在り方みたいなもんも自分なりに学び、感じたつもりの結論がインターネット学習塾はマジでクソってことです。っていうか学習塾って代物が比較的クソ

 一番伝えたかったことなんでもうちょっと詳しく述べると、学習塾は学習意欲が高い子にとっては有意義な存在なんですけど、学習意欲が低い子にとっては害悪でしかないんですよね。時間の無駄。やりたいことをやらせてやるべきです。

 

 「無責任すぎる」って言われそうですけど、そもそも子供が勉強しない/成績不振の理由は親にありますよ。そりゃ勿論、全国トップレベルの成績不振とかはまた別の話ですけど、公立小中高レベルでの成績不振は親の責任です。もうちょっと詳しく説明すると、「勉強しなさい」って言うだけで子供が勉強したら苦労しねーんすよ。「勉強しないといい会社に入れない」とかも同様で、そんなことで子供がみるみる勉強しだしたら逆に怖いわ。

 

 俺の好きな言葉に、山本五十六

やってみせ 言って聞かせさせてみせ 褒めてやらねば人は動かじ

話し合い 耳を傾け承認し 褒めてやらねば人は育たじ

やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば人は実らず

  てのがあるんですけどね。

 

 例えば、親が四六時中スマホ弄って、家でバラエティ番組見てるような家庭で、子供に参考書を与えて自発的に勉強しますかね?しませんよね。家庭が裕福とか貧乏とかそういう話ではなく、また親が院卒か中卒かとかそういう話でもありませんよ。要は親の教育意識の問題です。勉強しろっていうだけで実際親は何もしない家庭では子供も勉強しません。塾に通わせることが親の、教育面での務めじゃないですよってことです。

 

 

 

 なんか真面目に書いてたら疲れたし明日も仕事なのでこのへんでいとふゆ。