パシフィック・リム アップライジング感想

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 結論から言うと、前作のワクワク感はどこへやらといった感じで眠くなる映画でした。つーか終盤ちょっと寝てた。パシリムファンとして残念と言わざるを得ないです。

 

 そもそも、オタクで知られるギレルモ・デル・トロ監督が作ったからこそ前作はああも泥臭くて良いロボット映画になったのであって、それをトランスフォーマーのノリでスティーヴン・S・デナイト監督にやられちゃあ面白くなくなるわって話。08MS小隊の世界観でガオガイガーやられるようなもんで、どっちも面白いし好きだけどそれとこれとは良さのベクトルが違うよね。

 

 

 

 

明らかなスケールダウン

 

 今作は、前作から10年後のお話。前作は怪獣の登場、それに対抗するイェーガーの存在、そして根絶と一通りの流れを説明しているのに対し、今作は間抜けな技術者が敵性生物に操られて怪獣を復活させてしまい、それに対抗するというお話。こればっかりは仕方ないんですが、前作で一応の完結を見た以上、さらに風呂敷を広げない限りはどうしても縮こまった話になってしまうんですよ。早い話がスケールダウンしている

 

 ただ、3があるなら話は別。アップライジングの最後で、次は悪の親玉であるプリカーサーに直接対決を挑むと言うシーンがあった。3の脚本が既に出来上がっており、そこに繋げる為の幕間としてのアップライジングであるならこれも仕方のないお話なのかなぁと。どんな作品にでも中弛みはあるわけで、それがこのアップライジングに相当するなら目を瞑ろうといったところ。

 

 でも元々三部作ってわけでもないし、前作が思ったよりウケたから次回作作るかーつって出来たのがこのアップライジングなわけで、アップライジングもウケればそりゃ3も作られるだろうけどこの出来じゃあちょっと難しいんじゃないですかねと思う。

 

 そもそも前作がウケた理由も、国内で久しく【怪獣対巨大ロボット】みたいな映画が作られない中、鳴り物入りで輸入されてきた作品ということで特撮好きにとっては否応なしに期待が高まってたみたいなところありますし。二番煎じって時点で期待感は落ちちゃってるので厳しい評価になるのはやむを得ないところもあるんですけど。

 

 

 

 

もっとイェーガーに焦点を当ててくれ

 前作は主人公機であるジプシー・デンジャーを筆頭に、第五世代でありパワー・スピード・装甲ともにハイスペックなストライカー・エウレカ、中国人の三人乗りで雑技団を彷彿とさせるような動きをするクリムゾン・タイフーン、第一世代であり古い機体でありながらもその重量を生かした要塞のような立ち回りが出来るチェルノ・アルファなど、どれも特徴があった。

 

 タイガー&バニーも一緒で、ストーリー自体はヒーローVSヴィランっていうありきたりなものだったけどキャラクターが個性的で人気があった。熱血おっさん漢のワイルドタイガーと、同じ能力を持つクールな二枚目バーナビー、氷を操る女子高生ヒーローブルーローズ、牛角ロックバイソン、キングオブヒーロースカイハイ、見切りヒーロー折紙サイクロン・・・。

 

 それが人間であれ、ロボットであれ、特徴的であればそこに魅力が生じる。でも特徴ってのはただ姿形で形容されるものではなくて、そこから生じる言動もあってのもの。今作アップライジングは、形こそ最新鋭の第六世代だけど、個性に焦点を当てた動きが殆どなくて、どれが誰だかさっぱり分からんままって感じだった。

 

 パシフィック・リムの魅力はストーリーでも迫力ある戦闘でもなくて、ロボットが個性を生かして大立ち回りする姿なんだよな。

 

 

 

スクラッパーの存在意義

 そういう意味ではスクラッパーの存在は非常に個性的だった。序盤、巨大なイェーガーと戦うスクラッパーの存在には少しばかり心が躍った。イェーガーとは違い、狭いところにも入り込むことが出来、俊敏性もあって攪乱戦法も出来る。(もしかして、機動戦士ガンダムから逆襲のシャアに至るまで武装を詰め込み巨大化するばかりだったガンダムたちがF91から縮小化し機能性に特化していったように、巨大化に対する何らかのメッセージがあるのか?)みたいなことを考えたりもしたけど全然違った。やはり力こそパワー。

 

 逆に言えば、こいつに焦点を当てたがためにイェーガーたちの演出や解説がおざなりになってしまったのかも?と肯定的に捉えることも出来る。序盤と終盤以外はスの字すらなかったから多分違うんだろうけど、前作になくてアップライジングにあったものと言えばやはりこのスクラッパーが挙げられるだろう。

 

 なればこそ、スクラッパーの活躍をもっと盛り込んでほしかった。無人機として使われるロボットってそれはもう量産機でしかなくて、個性がなくなってしまう。ボトムズやボールは有人機だからこそ棺桶になりえるのであって、あれが量産可能な無人機だったら控えめに言って結構強いと思うし、量産可能な無人機に個性を持たせようってそりゃ無理だよって話だよね。だから無人機として扱われた時点で「あぁ、終わった」って感じだった。

 

 個人的には接収された後、何らかの理由でイェーガーたちと肩を並べて戦う事になるんだろうなと予想してたけど、割と最終盤でしか出てこなかったのが納得いかない。それなら別にスクラッパーじゃなくても良かっただろうし、それこそリーウェン社長の作った量産機で良かっただろ。オープニングでしか照明が当たらず、以降終盤まで姿を消すスクラッパーと、話の根幹にも関わってくるドローン・イェーガーのどっちがお助け役に相応しいか?って言われると、どっちでも良いんだけどどっちでも良いってことはじゃあスクラッパー要るか?って話になってきちゃう。

 

 そういう部分でも脚本に整合性がないというか、無駄が多いよなぁってなってしまう。

 

 

まとめ

 まぁ色々言いたいことはあったんだけど、唾棄すべきクソ映画かって言われると全然そんなことはなくて、ご飯食べながら横目に見る分には良いんじゃないって感じの普通の映画でした。ポップコーンとコーラを持って、心の底からワクワクしながら瞬きを惜しんで見る映画ではなかったってだけで、それくらい面白かった前作に比べるとどうしても見劣りしちゃうんだけど、そこそこには楽しめる映画でした。

 

 ただやっぱりファンからすると評価は低くなるだろうし、パシフィックリム自体ファンしか見ない映画だと思うのでより一層評価は低くなっちゃうんだろうなぁという感じ。デル・トロが評価を上げ過ぎたんやなって。

 

 

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